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山行記録:北アルプス:黒部五郎岳-鷲羽岳-水晶岳-三俣蓮華-双六岳

www.beeches.jp mountain report:M1011:Date:20100807-10 KurobeGoro Washiba Suisyou Sugoroku:Hietsu(Gifu-pref.) 

山行記録 M1011 2010年8月7-10日 北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-鷲羽岳-水晶岳-双六岳-黒部五郎岳-北ノ俣岳:飛越トンネル(岐阜)


今年最初の日本アルプスは黒部五郎幕営地を拠点に鷲羽へ行くというプランである。最大3泊で軽い荷物でぶらぶら歩こうというのである。
本当のところは、雲ノ平へGOを考えていたが、最終日の天候が気になるので無理はしない事にした。2日目に鷲羽までは最短のプランで、可能なことなら鷲羽から水晶まで行く。3泊するなら双六へも歩いていこうという柔軟なプランである。


朝5時、黒部五郎に朝日が差し込んだ。


【山域】北アルプス 北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-鷲羽岳-水晶岳-双六岳
【場所】岐阜県
【日時】2010年8月7-10日
【コース】北ノ俣岳-黒部五郎岳-三俣蓮華岳-鷲羽岳-水晶岳-双六岳-黒部五郎岳-北ノ俣岳:飛越トンネル
【メンバー】単独
【装備】テント泊装備 +スパッツ、ストック等 / Garmin60CSx
【撮影】Canon G10
【天気】7-9日 曇(時々晴または小雨) 10日 晴後雨
【地図】下之本 有峰湖 薬師岳 三俣蓮華(金沢)


Day 1. (7日)
5.15 1500m 飛越トンネル登山口
7.02 1842mm 1842m地点(神岡新道分岐)
8.27 1996.0m 寺地山
11.34 2630m 飛越新道分岐
11.45-50 2662m 北ノ俣岳
15.13 2770m 黒部五郎肩
15.26-35 2839.6m 黒部五郎岳
17.30 2345m 黒部五郎小屋
18.00 2345m 黒部五郎幕営地
Day 2. (8日)
4.00 2345m 黒部五郎幕営地
4.10 2345m 黒部五郎小屋
6.19 2841.2mm 三俣蓮華岳
8.23-26 2924.2m 鷲羽岳
10.20 2790mm 水晶岳分岐(水晶小屋)
11.00-40 2986m 水晶岳
12.20 2800m 水晶小屋
13.15 2730m 岩苔乗越
14.35 ----m 黒部源流分岐(雲ノ平-三俣山荘-岩苔方面)
16.15 2673m 三俣乗越
17.45 2345m 黒部五郎小屋
Day 3. (9日)
7.00 2345m 黒部五郎幕営地
7.14 2345m 黒部五郎小屋
10.35-11.10 2841.2mm 双六岳
12.50 2841.2mm 三俣蓮華岳
15.10 2345m 黒部五郎小屋
Day 4. (10日)
3.00 2345m 黒部五郎幕営地
3.09 2345m 黒部五郎小屋
4.30-5.30 2610m 黒部五郎カール
6.15-6.30 2839.6m 黒部五郎岳
9.14 2662m 北ノ俣岳
9.30 2625m 飛越新道分岐
12.05 1996m 寺地山
13.11 1842m 1842m地点
14.45 1500m 飛越トンネル

Day 1
飛越トンネンルで準備に少し手間取り、明るくなってからの入山となった。準備中に一人出発して行った。隣で若者3人が準備をしている。まずは北ノ俣岳山頂に向かう。霞む飛越新道は湿度が高くむんむんとしている。登山道は尾根であるにも関わらずぬかるんでいる。木を埋めてあるとろも多いがこれに足をとられて転ぶと大けがになりかねないので慎重にすすむ必要がある。ここはもともと湿地帯。水芭蕉が生えている登山道なのだ。途中には鏡池があるところ等、湿原も広がるよいろころである。水芭蕉は、もちろんこの時期はお化けのように大きい。
寺地山を過ぎるとここからはアルプスの領域である。今日は飛越新道からは笠ヶ岳や薬師岳は見る事ができなかった。とにかく北ノ俣岳山頂を目指して急な坂を登る。北ノ俣岳山頂に到着しても湿度が高く、雲も多い。それでも水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳と霞んではいるものの、目指す山々を確認できる。もちろん薬師岳も姿を見せている。
この時期、この辺りはハクサンイチゲ、チングルマが非常に奇麗である。が、大きな群落があるのは太郎山方面で、向かうのは反対の黒部五郎方面である。赤城岳をすごし過ぎたところで昼食.徐々に湿気が上空にあがってゆくようで、霞んでいた山々が徐々にはっきりしだした。飛越トンネンルで先に行った青年が黒部五郎への長い登りを登っている。その直ぐ後ろを女性らしき単独行者が行く。半ばまで登ると、軽い荷物でずんずん登ってくる人がいる。あっという間に追い越された。山頂に到着すると、橅ヶ山を含め単独行者ばかり4人が揃った。穂高は見えないものの多くの山々が見えるようになって来た。明日からが楽しみである。軽装の男性が女性に山を教えている。あまり山を知らないのか?とちょっと不思議に思った。それぞれに違ったプランでこの山に来た4人、このあとテン場で盛り上がることになる。


左:肩からカールへ下る途中よりコバイケソウ 右:ゴーロの奇岩

山頂をあとにしてカールに下る。軽装の男性はさすがに早く、あっというまに見えなくなった。スレンダーな女性の装備は少し重そうでかなり疲れているご様子である。少し気になったので、写真を撮りながらゆっくり下った。樹林帯からは小屋へ急いだ。


カール下より黒部五郎岳

小屋で生ビールを開けていると、しばらくして彼らも別々に到着である。小屋の前で少し話をしていると、テントサイト方面から軽装だった男性がビールとおつまみをもってやって来た。軽装故に小屋泊まりとおもっていたら、そうではないらしい。一泊の予定で折立からの登山だと云う。五箇山から来た人であった。青年も一泊での黒部五郎である。女性は昨日は薬師沢小屋に泊まり、赤木沢をソロで登ったのだそうだ。それでもうふらふらで”沢靴”が重いので捨てようか、カール下でテント張ろうかなどと考えながら、ここまで来たのだと云う。皆さん、それぞれにお疲れさまです。
全員がテントを張り終え、もう一人、赤木沢をソロでやられた女性も一緒になって、ビールにおつまみを出し合い、楽しい一時を過ごした。五箇山の男性からは別山の情報をもらった。6月頃に登るのがベストだと云う。奈良岳方面の話も伺えた。ブナオ峠は長く通行止めであったが、解除に向けて登山道の状態を確かめに入ったのはこのかたらしい。なかなか通のようである。スレンダーな女性は東京の方で、素敵な印象だった。まだ休みは十分にあるようで、槍に登って上高地方面へ下るのだという。もう一人の女性は埼玉の方と記憶しているが定かではない。山の会には今回の計画を出したが却下されたのだが来たと云う。いずれにしてもソロで沢を攻めるとは彼女たちは強者である。暗くなってから飛越トンネルで準備をしていた若者がやっと到着した。どうやら苦労したご様子である。暗くなっても山談義に話がはずんだ。隣のご夫婦にもう寝る時間としかられてしまった。とは言え、シュラフにくるまってから、ご夫婦の吐息に我々の方が…

Day 2
昨夜の盛り上がりで刺激されて、水晶まで行くことに決めた。早朝、まだどのテントも暗いうちに、ザックを背負って出発である。とはいえ、テントはこのままなので、余分な装備は残せるのでかなり軽い。黒部五郎小屋の横から一気に標高を上げてゆく。しばらくすると黒部五郎が見渡せるようになる。カールの岩肌が赤くなり始める。朝日が差し込む前に五郎の上空の雲に虹がかかった。そしてしばらくすると、カールに日が灯された様に赤く染まった。


日の出前、虹のかかる黒部五郎岳

今日は快晴は望めないものの、山々が見渡せる上天気だ。黒部五郎の遥か奥に白山が見える。そして笠ガ岳も全容を見せている。水晶から赤牛にかけても全容を見て取れる。三俣蓮華岳に出ると槍ヶ岳から穂高にかけての稜線が姿を現した。鷲羽の優美な姿は槍穂高とは対照的である。景色を堪能しながらのんびりと鷲羽を越える。


今日の目的地 水晶岳方面

この辺りからまたまたガスが上がって来た。山頂がガスで時折覆われるようになったが、まだまだ山々を楽しめる。そして高山植物も愛でながら水晶岳に到着。ここで大休止、ゆっくりとした時間を過ごす。


水晶岳山頂より赤牛岳


水晶岳山頂より野口五郎岳


山頂にしばらくいると赤牛の奥に立山、その奥に剣が顔を見せた。

雨は大丈夫そうであるがここが折り返し地点、帰路は黒部源流コースを歩き、三俣の山頂は迂回して帰ることにした。こちらも以外と花が多くて楽しめるコースであった。テントサイトに戻ると今朝とは違う色のテントが囲んでいた。

Day 3
明日の天候が心配ではあったが、もう一日楽しむ事にした。今日は双六を目指すのみなので、のんびりとした起床である。テントの外にでると笠ヶ岳が全容を見せていた。


左:黒部五郎幕営地より笠ヶ岳, 右:白山 黒部五郎小屋から尾根への途中から

雲はあるが晴れている。準備をすませて黒部五郎小屋の前に行くと、トレイルランナーが”ごちそうさま”と云って三俣蓮華方面へ消えていった。小屋で一応天候状態を確認に行ったのだが、なにやら山岳トレイルランの大会があるそうで、太郎平小屋を何人か通過したと小屋の定期無線で交信していた。


左:薬師岳, 右:水晶岳


左:穂高, 右:槍ヶ岳


左:鷲羽, 右:黒部五郎

登り始めると今日は昨日に増して青空が覗いている。どうやら午前中は大丈夫そうだ。青空を背景にする山々をみながらのんびりと祖父岳を間近に臨めるところまで来ると、一人のトレイルランナーが近づいて来た。どうやら女性のランナーの様である。邪魔になるといけないので三俣乗越まで走って登った。ちらちらと振り返ると、とても素敵な女性である。ゼッケンには”間瀬ちがや”とある。どこかで聞いた名前であるが、そのときは思い出せなかった。後から思えば、写真を撮らせてもらうか、握手してもらえばよかったと…
後から知ったのだが、この大会は”日本縦断トランス・ジャパン・アルプス・レース”という一週間で日本海から太平洋まで3つの日本アルプスを越えながら横断するアドベンチャーレースと後から来た出場者に聞いた。間瀬さんはなんと女性ながら、2008年の前回大会の優勝者。しかも2児の母親。まさにトレイルラン界のスーパースターであることは帰宅してから知ったが、その名はおそらく定期購読している山と渓谷の記事かなにかで読んだことがあったのだろう。


三俣蓮華

三俣蓮華の分岐まで来ると今日も槍から穂高の稜線が迎えてくれた。ここから双六までは快適な稜線散歩である。双六岳で昼食をすませるとちょっと雲行きが怪しくなって来た。三俣蓮華に戻る途中で雨の妖精”雷鳥”に遭遇してしまう。これはそろそろ危なそうでである。帰り道ではあるが、さらにトレイルランナーに遇う。全部で何人遇ったのか正確に覚えていないが、7-8人とすれ違っているはずである。もちろん双六方面に行っている間にも通過している出場者もいるであろう。途中、もう一人女性出場者にお会いしている。頑張って!と思わず励ましたくなるのは自分だけではなかろう。
テントサイトまで戻ると隣にはオーストラリアからの青年がテントを張ってくつろいでいる。お昼をあまり食べなかったので、ラーメンを食べたあとにおもむろに”蕎麦掻き”をつくって食べていると、"big eater"と云われてしまった。大きなお世話だ!
どこかの大学のパーティーや、最近流行の同一パーティー、全員ソロテント組もいてもいて、なかなかぎやかである。いずれの登山者も台風を気にしており、明日からの天気が気になるようだ。当方も明日は早い。おやすみなさい。

Day 4
今日は最終日である。一昨日の赤く染まった黒部五郎カールを間近に見るのが今日の目標である。とは言え、天気はどうなるか判らない。未だくらい中、テントを畳む空は星が見える。期待できそうだ。
カール下へ急ぐが、途中で道を失った。沢筋をちょっと外したようだ。何処が登山道かと捜そうとしていると、大学の山岳部らしきも同じく迷って来た。彼等が道を見つけてくれて無事復帰。うす暗いうちにカール下まで来た。この時間なら日の出までに山頂に行けそうなので、ちょっと迷ったが、大きな岩の上に這い上がって、ここでアーリーショーを楽しむ事にした。しばらく待つとカールの岩が見て取れるようになったが、赤くはならない。今日は期待ほど赤くはならないかと思われたが、5時を数分まわった頃、赤く輝き始めた。


カール下より黒部五郎岳 赤く日が入り始めた


カール下より黒部五郎岳 真っ赤に染まる

赤く染まったカールが美しく輝く10分ほどのショーであった。このショーが終わると、ワリモ岳あたりから日が昇り始めた。今回の山旅で最高の朝であった。


ワリモ方面から朝日が差し込む


肩へ途中から コバイケイソウ 黒部五郎岳


黒部五郎岳ゴーロ

ショーが終わると山頂へ、なんと山頂手前で、今回2度目の雷鳥である。しかも山頂はガスで覆われてしまった。雨が降る前に下山できるか、これからが時間との勝負になりそうな予感ある。山頂でガスが晴れるのを少し待ったが、下山を急ぐ事にした。五郎の下りを降りきるといったん晴れたが、赤木沢出会あたりから再びガスが出て来た。ここからは晴れること無かった。北ノ俣山頂で早めの昼食をとっていると、昨日、ソロテント3張の青年パーティーが飛越新道を下ってゆく。こちらを選択するパーティも多いのだと思う。
避難小屋まで降りて水を汲み、ラストスパートである。しかし、ここからまだまだ距離がある。寺地山を過ぎてしばらく行くと、雷雨に見舞われた。最後の最後に雨に降られたものの無事下山。
今回も楽しい山旅となった。


Latest update:Aug 13, 2011

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